国際理解教育の一環とし、『EUがあなたの学校にやって来る』という駐日欧州連合主催の講演が5・6時限目に全校生徒を対象に実施されました。この企画は2007年に始まり毎年恒例の出張授業として実施されています。昨年度は2日間で、日本全国23都道府県62校の参加があり、のべ2万4,500人を超える高校生がこの機会に恵まれたそうです。EU 加盟国の 在日 EU 加盟国大使館及び駐日 EU 代表部の大使や外交官が高等学校を訪問し、EU の概要やまたは出身国について講演します。大使から直接話を聞くことで、日本の高校生にEUや日本とEUの関係をより身近に知ってもらうことを目的としています。今年度、ついに本校にも『EUがあなたの学校にやって来る』運びとなりました。
講師にハンガリー大使館のシェプリーニ・ガーボル氏を迎え、通訳を介し、「EUとは何か」、「グローバル社会でEUが果たす役割」、「日本とEUの関係」についてお話しされました。
20世紀は戦争の時代でした。ヨーロッパも戦争によって大きな破壊・打撃を経験しました。EUが組織された目的は全世界に安定と平和と繁栄をもたらすため、またそのモットーは「多様性の中の統合」であるとガーボル氏は説明されました。現在28か国の加盟国を有し、その総人口は日本の4倍、公用語は24か国語だそうです。
EUの重要な考え方は「対立でなく協力」、「国境のない生活」です。加盟の条件として民主主義、市場経済、法と秩序、人権が整備されていることが挙げられるそうです。
EUと日本との関係は、人権・平和・環境問題等に関し同じ価値観を持つ国として、政治・経済・安全保障・教育の分野の結びつきは重要だと述べられました。

質疑応答の場面では、多くの生徒が挙手をして質問しました。民主主義について、ハンガリーへの留学について、日本人の性質、トルコのEU加盟への不承認、イギリスのEU離脱問題等について質問がありました。ガーボル氏はイギリスのEU離脱の可能性については非常に残念であると答えられました。

日本人の性質について"shy"であるかについては、ガーボル氏は肯定した後、秩序ある社会の国民性の表れであること、また、来日していた2011年の大震災の時の例を挙げ、大きな被害にも関わらず復興に向け立ち上がっていった日本の人々の我慢強い精神性をも反映した性質であるのかもしれないと、当時を振り返り目頭を熱くし声を震わせながら答えられる場面もありました。

最後に、本校の生徒が大変積極的に質問していたことに感心されていました。
講演後、懇談会が行われました。この懇談会には来月11日(水)から9日間、本校のハンガリーの姉妹校であるフンファルビ高校へ派遣される生徒が参加し、和やかな懇談が持たれました。
この『EUがあなたの学校にやってくる』の模様は11月12日(火)午後6時より、佐野ケーブルテレビ『さのニュース』にて放送される予定です。